「つづく展」とは

「つづく展 石巻に根っこの生えた写真家たちの写真展―」 は、東日本大震災から6年を迎える2017223日~312日の18日間に渡って、石ノ森萬画館の第64回特別企画展として開催された写真展で、 3578人の来場者数を記録しました。

参加写真家は、

海と共に生きる漁師たちに惚れ込んだ 平井慶祐

震災前も今も、日々シャッターを切りつづける地元新聞記者 渡邊裕紀

段々と明るくなっていく夜明けに震災後の石巻の姿を重ね、「いしのまきのあさ」をほぼ毎日撮りつづける 鈴木省一

「人はなぜ生まれ、死にゆくのか」を写し「なにものか」を遺そうとする 古里裕美

宮城県外からボランティアをきっかけに石巻に入り今も住み続けている者、石巻生まれ石巻育ちで震災前から石巻をカメラに収め続けている者。出身も、作風もバラバラな4人の石巻に根を張る4人それぞれの視点は、彼らが心を重ねてきた一瞬一瞬でもあります。

 

 

「つづく展の」はじまり

石巻に本格的な寒さが訪れようとしていた201611月のこと。

「東日本大震災から6年。あの時にボランティアで来てくれた人たちの中で、石巻に生活の拠点を移し暮らしている人も多くいて、今では石巻にとって欠かせない仲間だと思うんだ。次回の企画展で、そんな仲間の写真家が撮り続けてきた石巻の姿を展示して、作品を通してこの6年を振り返るとともに、これからの糧になるようなことを感じてもらいたいんだよね」

東日本大震災から6度目の311日を迎えるにあたり、石ノ森萬画館のスタッフから、石巻を見つめ続けてきた写真家による写真展を開催したい、というの依頼が来たのがはじまりでした。

その想いを受け、4人の写真家が「つづく展」を開催することになったのです。

生まれも育ちも作風もバラバラな4人が一緒に写真展をするということは、とても意味があることのように思え、写真展の企画が転がりはじめます。そこで頭をひねって写真家たちが選んだキーワードは「つづく」でした。4人に共通していることと言えば、石巻を「撮りつづけている」こと。だけだったからからです。

 

 

伝えたい想いがある

日々様々な想いを抱きながら撮りつづけてきた石巻の写真。そこに込めた想いを、たくさんの人に観て、感じてもらいたい。

「つづく展」の依頼は、写真家たちの想いを多くの人たちに届けられる大きなチャンスでした。

津波の被害を受けてもなお海と向き合い続ける漁師たちの姿。

日常の断片に宿る記憶。今を笑って生きる人たちと共にしてきた、たくさんの時間。

海、町並み、笑い声、潮風、朝日、カメラを見つめるまっすぐな瞳。

彼らが生きるこの町は、今日も確実に時を刻んでいる。

4人はそれぞれに、開催直前まで、そして開催中も「伝える」ということと向き合い続けました。

 

 

もう一歩踏み込むキッカケ作り

「伝える」為に4人は、参加型のいくつかの連動企画も開催しました。

 

写真家が語るギャラリートーク

写真家たちが作品を目の前に、そこに込めた想いやこだわりを語り、展示会場が埋まるほどの方が足を運んでくださいました。

 

写真を撮る面白さを写真家と一緒に体感するワークショップ

こどもたちがカメラを手に町へ繰り出し、町を探索しながら上、下、ドアップ、撮る角度が変わるだけで全然違った写真になることを一緒に楽しみました。こどもたちが撮った作品は、「つづく展」の展示会場に展示!子どもたちの素直で自由でまっすぐな感性を目の当たりにした写真家たちの嬉しそうな表情が、少し羨ましそうに見えたのも印象的です。

 

「写真をもっと深く感じる」ワークショップ

参加者それぞれが展示写真から1枚を選び、なぜその写真に惹かれるのかを見つめるこのワークショップは、参加者と写真家とだけの空間で行われ、 写真と、それを選んだ自分の心と向き合う濃密な時間が流れました。

 

「いしのまきのあさ」早朝撮影ワークショップ

5時集合!薄暗い時間でも写真をきれいに撮る方法などを学びながら、石巻の朝の風景を思い思いにカメラに収めて歩きました。参加した人からは、朝の風景を撮ることだけではなく「同じ石巻でカメラをやっている人たちと出会う機会」にもなり喜んでいただけました。日の出前というちょっとした非日常が、参加者同士の距離を縮めてくれたようです。

もう一歩深く踏み込んでみると、写真の世界は何倍にも広がっていく。

そんなことを伝えられた連動企画は、「つづく展」に、より深みを与えることとなりました。

 

想いを届け続ける

こうして写真家と足を運んでくれた人たちで一緒に作り上げた「つづく展 石巻に根っこの生えた写真家たちの写真展―」は、様々な形で実を結びました。

44様の個性と写真への想いは、当人たちの予想を超えた響き合いを産み、観に来てくれた人たちからは想いの詰まった感想がたくさん届きました。

石ノ森萬画館のスタッフの方からは、「ほかの企画展と比べて地元の人が多く、また若者から年配者、老人まで幅広い年代の皆さんに来場いただきました」という嬉しい言葉もいただきました。

伝わった。

その喜びと同時に、もっとたくさんの人に見て欲しいという想いも生まれました。

彼らが石巻に想いを重ねて来た時間。

それは、これからも積み重ねられていきます。

そして、そこを埋め尽くすたくさんのものを、彼らはこれからも写真に乗せて届けつづけます。

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つづく展22017728日~910日)